漢方薬はあなたのわがままをかなえてくれるものではない
今回は、病気を治す上で大切なことをお話したいと思います。
以前にも書きましたが、世の中には“原因と結果の法則”というのがあります。
原因があるから、結果があります。
病気になるには、必ず原因があるということです。偶然病気になったということはあり得ないのです。そして、ほとんどすべての病気の原因は自分で作っているのです。
蒔かない種は芽を出しません。病気になったということは、その病気になる原因の種を自分で蒔いたということです。
そして、病気の回復には、その原因となっている悪い種蒔きを止めなければなりません。
先日、アトピー性皮膚炎で来られた患者さんに食生活のことをお話したら、そういうことはあまりしたくない、とにかく痒くて辛い。皮膚科でもらった薬も効かないし、漢方も効いているのかどうか分からないと言っていました。
あれも出来ない、これも出来ない、痒いのは嫌だと不平不満ばかり言っていました。
こういう人を子供と言います。
「お母さん、痒いよ~」と泣き叫んでいる子供となんら変わりがありません。
こういう人は「痒いね~、辛いね~、痒いの飛んでけ~」となぐさめてほしいのかもしれません。
しかし、残念ながらなぐさめでは痒みは治まりません。
漢方薬は、あなたのわがままを叶えてくれるものではないのです。
自らの行いを反省せずに、不平不満ばかり言う人は、漢方ばかりでなく、どんな治療をしても治ることは難しいでしょう。
このことは、アトピーに限らず、すべての病気について言えることです。
薬は補助であり、治すのはあくまで自分の治癒力によるものであること。
そして、病気の原因となっている元を断たなければ、どんな病気も回復しないことを、みなさんももう一度よく考えてみて下さい。