肝臓のお話し…その②
前回は肝臓について、西洋医学的な分析でお話ししました。
今回は肝臓について、東洋医学ではどう見ているのかをお話しします。
東洋医学で肝臓の役割として重要なものは主に2つです。
1つは主臓血(しゅぞうけつ)
主臓血とは、血液を蓄える機能を言います。
肝臓は全身の血液の量を調節していると言われています。血液の量を調節するためには、血液の蓄えがなければ出来ませんね。
この蓄えが少ないと様々な問題が生じます。頭がふらつく・目がくらむ・手足に力が入らないなどなどです。
もう一つの機能は主疏泄(しゅそせつ)です。
疏泄とは滞りがなく、のびやかであるという意味です。
肝臓はいつも“のびのび”した状況が大切と言われています。緊張したり、焦ったり、ストレスで怒りのエネルギーをため込むと、肝臓はうまく機能しません。
この疏節の機能がうまく行かないと、血液の流れや老廃物の代謝がおかしくなります。
瘀血や出血の原因になります。
また、胃腸の働きにも影響がでます。精神も不安定になり、女性ならば月経周期に影響も出ます。
この疏泄の機能異常は、分かりやすくざっくり言うと、ストレスによる自律神経の乱れを指します。
東洋医学では、自律神経の問題を肝の問題と見るのですね。
この肝の疏泄機能を改善する生薬が漢方にはあります。
自律神経の問題となると、精神科や心療内科に受診するのが一般的ですが、副作用もなく、安心して飲み続けられる漢方も選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。