腎臓のお話し…その③
続きです。
腎臓について、東洋医学的な視点で解説しています。
腎臓の働きは大きく5つです。
一つは主水。もう一つは主成長発育・生殖ですね。これは前回解説しました。
今回は残りの3つについてお話しします。
3つめは主納気(しゅのうき)です。
これは呼吸して取り入れた空気をきちんと納めることを意味します。
腹式呼吸という言葉があるように、呼吸は肺だけではなく、お腹も大きく関与しているのですね。正確には下腹部にある丹田で呼吸を納めます。
この力が弱いと、呼吸が浅くなり、精神的にも乱れてきます。
東洋医学ではこれを腎の機能と捉えているのですね。
4つ目は主蔵精・骨髄(しゅぞうせいこつずい)
腎臓は精力を蓄えて、脳や骨髄を滋養します。
腎の機能がもともと高い人は、頭もよく創造力が豊かで精力も旺盛です。
英雄色を好むとい言われていますが、ベートーベンやモーツァルトが女性関係も派手だったことは有名です。
こういった人々は、持って生まれた腎の力が強かったために、あれだけの業績を残しながら、まだ精力的に余裕があったのでしょう。
我々凡人が真似するとあっという間に腎機能の低下を招くので要注意です(笑)
5つ目は各臓腑を濡養温煦です。
この意味は、腎臓が各臓器を色々な面で支えているということです。
各臓器の温度や血流量、水分量、塩分やその他栄養分の濃度を調節しているという意味です。
他の臓器の機能が多少低下したとしても、腎の機能が強ければ、回復をサポートしてくれるのですね。
昔、中国皇帝は不老長寿の薬の開発を医師に命じました。その薬が腎機能を高める薬として、現代にも残っているのですね。その代表的な薬が“腎気丸”(八味地黄丸)という薬です。
腎臓は最後の砦と言われていて、生命の源です。
大切にしましょう。