風邪の上手な治し方…その④

  • 2016年02月23日

風邪については今回が最後です。
まとめます。

・風邪薬は風邪を治してくれるものではなく、症状を抑えてくれるものであるということ。これは病院で出される薬も同様です。(その①参照のこと)

・抗生物質は細菌を退治するものであって、風邪の原因であるウイルスには全く効果がないということ。ウイルスと細菌はぜんぜん違うものだということ。(その①参照のこと)

・風邪の時に出る熱や咳、鼻水といった症状は、すべて防衛反応。風邪を治すために自分で引き起こしている反応なので、むやみに抑えこまない方がよいということ。
ウイルスは熱で死ぬので、どうしてもという時以外は、むやみに熱を下げないこと。
(その②、その③参照のこと)

・風邪を治すのはあくまでも自分自身の治癒力によるもの。その治癒力を上手に発揮出来るようするということ。

以上がまとめです。
では、具体的にはどうすればいいかをお話しします。

お勧めはやはり“葛根湯”です。
葛根湯は飲むタイミングがとても大事!

やばいな、おかしいな、ちょっと寒気がするな、風邪かな?

そう思ったらすぐに服用すること。
ドラッグストアで売られているもので良いので、一回に2包位をすぐに服用する。
多少多めに服用する方が良い(安全重視の日本の薬は量がとても少なく、大人量が中国では子供の量)

私の経験ではこれでほとんど悪化せずに回復してしまいます。

ですが、時にはインフルエンザなど強力なウイルスに感染して、回復しないケースもあります。
初期対応が間に合わなかった場合や、自分の抵抗力がウイルスに負けてしまうと、熱や鼻水や咳といった症状が出てきます。寒気がなくなれば、葛根湯はもう効きません。

こうなってしまったら、ぱっとすぐ治そうという考えは捨てなければなりません。
どんなに早い人でも回復に3日はかかります。普通の人で1週間くらいは回復期間を見なければなりません。

回復を助けてくれる漢方薬は色々ありますが、その時の症状によって飲む薬が違うので、ここでの説明は省きます。良く分かっている専門の人に聞いて下さい。

・熱はなるべく下げずに温かくして、ゆっくり休む。これが一番の基本です。

・食事は胃腸に負担のかからない、消化のいい物を少なめに取る。
おかゆに梅干し、煮込んだうどんなどがお勧めです。

・体力をつけようと、スタミナ食を無理やり詰め込む人がいますが、血液を胃腸に集めてしまい、消化に体力を消耗してかえって悪化します。犬でもネコでも具合が悪い時は食べないですよね?人間も同じです。

・甘い物やお酒も厳禁です。甘いものは炎症を悪化させます。のどが痛い時にチョコレートとか、アイスクリームとか甘いものを食べれば痛みが悪化するので、確かめてみたい人はどうぞ…(笑)

・水分は、体の温まるしょうが湯などを少なめにとる。ポカリスエットなどをがぶがぶ飲むと、痰になり鼻水や咳が治まらなくなります。
脱水症状をえらく気にする人がいますが、蛇口をひねれば水が出てくる環境にいて、脱水症状もくそもありません。

のどが渇いたら、それを潤す程度に水分を補給すればいいのです。頭でっかちの理屈で考えるよりも、自分の身体の声を素直に聞けばいいのです。

・栄養ドリンクはどうでしょうか?
結論から言うと、熱や咳、鼻水などの症状が激しく出ている時は、飲むべきではありません。砂糖の大量に入った栄養ドリンクは、のどの炎症を悪化させ、痰になり、咳や鼻水の原因となります。飲むなら、症状がある程度治まった回復期に飲むべきです。

・頭は冷やしても体は冷やさないこと。
熱を下げるために、脇にアイスノンを挟む人がいますが、あれはやってはいけません。
身体を冷やすと抵抗力が落ちるし、何度も言いますが、熱は下げない方が良いからです。

お風呂はOKですが、湯冷めだけは気をつけて下さい。身体を温かくするのは免疫力を高める効果もあり、とても良いです。
首の後ろや、腰にカイロを貼ると、利尿効果も高まり、鼻水などが治まりやすくなります。

以上、長くなりましたが、風邪の上手な治し方について説明しました。
風邪を引いた時の参考にしてください。

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