東洋医学と西洋医学の違い
東洋医学と西洋医学の一番の違いって何だと思いますか?
現在の日本の医療は、ほぼ西洋医学に基づいた治療になっています。
みなさん、どこか具合が悪くなると、病院に行きますね。そして、お医者さんの診断を受けます。
聴心器を胸にあてたり、血圧を測ったり、レントゲンを撮ったり、CTスキャンなんて場合もあります。
この作業っていったい何をしているかというと、どこかに異常がないかの確認ですね。
もし、異常が見つかれば、病名が決まります。
つまり、西洋医学での診断とは“病名”を決めることなんですね。
西洋医学では、病名が決まらないと、治療が始まらないのです。
結局、レントゲンやCTスキャン、血液検査などの診断は、病名を決めるためなんですね。
異常が見つかれば、病名が決まります。しかし、検査の結果、何もなければ、体調がわるくても、異常なしとされてしまいます。
結局、白か黒かの判定なのですね。
でも人間の体調は、そんなにすっぱりと割り切れるものではありませんね?
黒(病気)まではいかないけれど、何か調子が悪い、具合が悪い。
そういったグレーゾーンというか、危険信号が発せられていることも、多々あるはずなのです。
東洋医学の場合、病名はあまり重要視しません。
体調がわるければ、病名はつかなくても、どこかにその原因があるはずなのです。
そのヒントが色々なところに現れているのです。
顔色だったり、体型だったり、声の大きさだったり、唇の色だったり、皮膚の色つやだったり、便や小水の回数だったり…
そういったことを総合的に見て、その人の体質を判断します。
その体質のことを、東洋医学では“証”と言います。
証を決めること。東洋医学ではこれが最も大切なのですね。
我々にとって何が大切なのかをもう一度よく考えてほしいのです。
複雑な検査や難しい病名を説明されても、はっきり言ってよくわからないですよね?
調子が悪い原因を突き止めて、それをどう改めていくか。
そこが最も重要な部分です。
その根本の原因は、その人の症状や体質に色々現れてくる。それを見極めるのが“証”を診るということです。
例えば、冷たい物や甘い物を撮り過ぎれば、体の中は冷えてきます。
その結果、血行が悪くなったり、筋肉がけいれんしたり、様々な問題が出てきます。当然、手足が冷えたり、冷えっぽい体質になります。
しかし、完全な病気とは言えないので、いくら検査をしても、病名は付きません。
結局、西洋医学では治療の方法がないのです。
それに対して、東洋医学では、冷えっぽい体質を“陰の体質”と判断し、体の中を温めたり、血行を良くする漢方薬を処方して、体質の改善を行っていきます。
東洋医学と西洋医学の違いを少しは理解していただけたでしょうか?
色々な症状は、その人の体の中の異常を示すサインです。そのサインをしっかり意識して、自分の体質をより良い方向へ持って行きましょう。