検査の結果異常はありません?
今回は西洋医学の検査についてのお話しです。
先日、60代の女性の方が首と喉の奥が痛いと相談に来られました。
整形外科に行ってレントゲン検査をしても問題なく、耳鼻咽喉科で検査を受けても何もない。脳神経外科での検査も問題ないとのことでした。
「どこも悪くありません。気のせいでは?」とまで言われたそうです。
けれど、痛みはあるし、首の違和感が消えずとても憂うつ。手段がなくて、娘さんの勧めで漢方を試してみたいと相談に来られました。
固定性の痛みではなくて、調子の善し悪しがあるとのこと。湿布を貼ったり、痛み止めを服用しても全く効かないと本人。
かなり強めの鎮痛剤が全く効かないので、筋肉や神経の痛みではなさそう。固定性ではなく、押すと気持ちいい。
ストレスがたまり、大変な時は痛みが出るとのこと。背中とお腹がとても張っていて、緊張感が高い様子です。
痛みの原因は分からないので、東洋医学的な判断でお薬をお出ししました。
痛みの改善とはおよそ縁のない処方だったので、効くかどうかは私にも分かりませんでした。
そして、3日目にウソのように痛みがなくなったとご報告をいただきました。
今回はたまたまうまくいったのですが、東洋医学も決して万能ではありません。
西洋医学の検査や治療も同じです。
「どこも悪くありません、気のせいでは?」という対応はいかがなものでしょうか。
検査検査でたらい回しにされて、多くの出費を強いられる患者の身になってほしいものです。
本人が痛いと言っていて、ウソをついているわけではないのだから、「問題ありません、どこも悪くありません」は正しい回答ではありません。
「検査をしたけれども、痛みの原因は分かりませんでした」
「今の技術では、あなたの痛みの原因は解明出来ません」
が正しい回答だと私は思います。
多くの人に、西洋医学の検査が万能ではないことを知っていただきたくて、今回の症例を記事にさせていただきました。